| 作品の一つに、「甦る森林」と名付けられた壷がある。実物を見たことはないが、ある雑誌の写真集で拝見しただけだが、色に驚かされた。これは何、有田焼、いや違う、今まで出合ったことのない色。青、濃紺、そんなに簡単にいい表せられる色ではない。藍、そうだ藍色。辞書で藍色を引いてみると、濃い青色、深い青色と記載されている。しかし、辻氏の作品の色は深海を思わせるような美しい藍色がそこにあります。静と動が共存しているようにも見て取れます。この壷の絵には、ドラマ性のあるメルヘンチックなものだったりする。 |
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| また、有田にあって磁器と数種の土をブレンドした独特の染濃細密画は見る人を釘付けにする。使うのは古代黒呉須、深い藍色が絵を引き立たせている。細密に描かれた野の花や動物、幾何学模様。まるで陶板や器などをキャンバス代わりに実に繊細なタッチで描かれています。 |
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器の中に静寂を感じ、砂漠のような渇ききった現代人の心に安らぎをもたらしてくれるようです。光を通すような、やわらかな花びらの線はやさしくて思わず、そっと手でなぞりたくなります。そこには、忘れ去られようとしている温かいシネマがそこに存在しています。
小さな食器でも細密な手書きのため量産もできず、一人一日一つか二つしか絵付けができないという。「世の中にこびず、自分で納得できるもの、自信を持って出せるものを作り続けたい」という思いが作品に表れている。 |
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モチーフも自分の周りから見つけ出し、形もユニークで最近では素朴なものに加えて、オブジェのような不思議な形に凝っているという。また、ドラマ性のあるメルヘンチックなものだったりする。
作品に付けられているネーミングも、ウイットに富んだ陶芸家辻さんらしくおもしろい。見る側にも楽しさが伝わってくると同時に、ときには笑いさえ誘われる。「小さいものにも魂を込めて、迫力あるものをつくっていきたい」と自然体での作陶が辻氏の魅力である。年に一回窯に火入れがあり、展示品などは、有田の深川製磁前の店舗に陳列されてあります。 |
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