佐賀のよかもん
その土地ならではのものとの出会い、
佐賀の豊かな自然や歴史と伝統に
人々の熱い想いが作り上げた逸品。
今回は、有田焼「辻修窯」です。
辻修窯
日本人の生活と知恵が生んだ畳
辻修窯 辻修窯
辻修窯 辻修窯
藍色のシネマ



辻修窯
 作品の一つに、「甦る森林」と名付けられた壷がある。実物を見たことはないが、ある雑誌の写真集で拝見しただけだが、色に驚かされた。これは何、有田焼、いや違う、今まで出合ったことのない色。青、濃紺、そんなに簡単にいい表せられる色ではない。藍、そうだ藍色。辞書で藍色を引いてみると、濃い青色、深い青色と記載されている。しかし、辻氏の作品の色は深海を思わせるような美しい藍色がそこにあります。静と動が共存しているようにも見て取れます。この壷の絵には、ドラマ性のあるメルヘンチックなものだったりする。
 また、有田にあって磁器と数種の土をブレンドした独特の染濃細密画は見る人を釘付けにする。使うのは古代黒呉須、深い藍色が絵を引き立たせている。細密に描かれた野の花や動物、幾何学模様。まるで陶板や器などをキャンバス代わりに実に繊細なタッチで描かれています。
 器の中に静寂を感じ、砂漠のような渇ききった現代人の心に安らぎをもたらしてくれるようです。光を通すような、やわらかな花びらの線はやさしくて思わず、そっと手でなぞりたくなります。そこには、忘れ去られようとしている温かいシネマがそこに存在しています。
 小さな食器でも細密な手書きのため量産もできず、一人一日一つか二つしか絵付けができないという。「世の中にこびず、自分で納得できるもの、自信を持って出せるものを作り続けたい」という思いが作品に表れている。
 モチーフも自分の周りから見つけ出し、形もユニークで最近では素朴なものに加えて、オブジェのような不思議な形に凝っているという。また、ドラマ性のあるメルヘンチックなものだったりする。
 作品に付けられているネーミングも、ウイットに富んだ陶芸家辻さんらしくおもしろい。見る側にも楽しさが伝わってくると同時に、ときには笑いさえ誘われる。「小さいものにも魂を込めて、迫力あるものをつくっていきたい」と自然体での作陶が辻氏の魅力である。年に一回窯に火入れがあり、展示品などは、有田の深川製磁前の店舗に陳列されてあります。



ショールーム

ショールーム
木の葉がいっぱい
木の葉がいっぱい
(φ15cm×47cm)
コスモス・夢の木
五寸皿 コスモス・夢の木
(φ15cm)
コーヒー碗
コーヒー碗
未来予想図
未来予想図
(30cm×38cm)

 祖父の代から有田焼の上絵付け師の家に育つ。辻氏は、絵付けだけにとどまることを望まず、自らの手で焼き物を作ることから始めようと、京都で清水焼を学ぶ。そこで出会った陶芸家の前衛的な発想、作品が彼に大きな影響を与え、辻氏の斬新な作風の原点となっている。22年前独立、山内東小近くに窯を持っていたが、黒髪山の中腹、乳待坊が目の前に見える場所に窯を移され、長男とともに意欲的に活動されています。
 話によれば、家屋よりも先に窯を作られたということで、焼物に対する情熱を窺い知ることができます。
所在地/武雄市山内町大字宮野25820-1
電 話/0954-45-4905
交 通/JR三間坂駅から車で5〜10分
駐車場/10台収容
展示場/有
辻修窯地図


写真の著作権・肖像権は、辻修窯に帰属します。
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取材協力
辻修窯  佐賀県武雄市山内町大字宮野25820-1 TEL0954−45−4905