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その土地ならではのものとの出会い、
佐賀の豊かな自然や歴史と伝統に
人々の熱い思が作り上げた逸品。
口縁上面には染付の圏線がめぐり、端部は短く折り曲げられる。口縁部内外面は、2ヶ所に雷文を描き濃みを施している。見込には、雪の積もった柳に鷺が2羽描かれる。台には日足文が透彫されるが、2ヶ所は八日足、1ヶ所は七日足になっている。この透彫と透彫の間に染付で如意雲文を描き、台下部にも染付で雷文が描かれている。高台畳付は露胎であり、器表や台の内側には貫入がみられる。鉢と台を別々に作り、接合している。 染付 柳鷺文
台付皿
肥前・有田窯
佐賀県
1650〜1670年代
口径 33.2
高さ 20.3
底径 21.5
佐賀県立九州陶磁
文化館所蔵品
染付 鳳凰菊牡丹文
三足酒注
1690〜1710年代
口径 9.2
高さ 29.5
底径 14.3
佐賀県立
九州陶磁文化館
柴田夫妻コレクション
色絵 花唐草文
蓋・鉄製銚子
1690〜1730年代
蓋 径 10.5
蓋高さ 2.4
銚 子:最大径17.0
高 さ 15.6
佐賀県立
九州陶磁文化館
柴田夫妻コレクション
染付 高蒔絵牡丹唐獅子文 大壺・広口大瓶 肥前・有田窯 佐賀県 1700〜1740年代
(壺) 口径 20.1 蓋付総高 87.4
    高台径 20.8 最大径 43.0
(瓶) 口径 29.5 高 59.8 高台径 14.7
佐賀県立九州陶磁文化館所蔵品
器面のほとんどを高蒔絵で装飾している。高蒔絵による装飾部分の地は無釉である。器高は総高87.4pと大きく、作品全体からは装飾性あふれる豪華な印象を受ける。蓋および如意頭形にとった肩および腰部の区画内は、牡丹・菊・花の3種類を配した染付の唐草文で埋めている。また高台脇はハート繋文がめぐらされている。つまみの獅子は木製であり、製作当初からあったものかは不明。
色絵 菊藤桔梗文
竹型水柱
1700〜1730年代
口径 7.1×6.2
高さ 12.8
底径 10.5×9.0
佐賀県立九州陶磁文化館
柴田夫妻コレクション
色絵唐獅子像
 (柿右衛門様式)
肥前・有田窯
佐賀県
1670〜1690年代
高(左) 23.7
高(右) 23.4
佐賀県立
九州陶磁文化館所蔵品





右は阿形、左は吽形で対をなす。ヨーロッパからの里帰り品で、金具はヨーロッパでつけられたもの。施釉部の素地は白くみえるが、無釉部には黒い微粒子がかなりみられる。数個の型を用いて各部分が整形され、生乾きの時に接合される。絵付はすべて上絵付である。顔や腹は黒の輪郭線なしで青と黄で広い面が塗りつぶされている。
染付草花文瓶(フッカ瓶)
肥前・有田窯
佐賀県
1670〜1690年代
口径6.6 高23.8 高台径7.5 最大径15.7
佐賀県立九州陶磁文化館所蔵品
瓶の口部を盃状に成形した珍しい器形である。なかに水を入れ、火皿と吸い口をとりつけて喫煙用の水パイプに使用するものである。胴には八方に輸出品にしばしばみられる図案化された花文が表されている。この花文をもち肩部に穴のあいた玉子形の水パイプ瓶がハンブルク美術工芸博物館に所蔵されている。盃状の口部、頸部、胴部の花文の上下に唐草文を表す。底部は碁笥底風に削り込まれ、畳付のみ無釉とする。

1.成 土
採 石… 天草陶石を採掘し、選別する。
粉 砕… 粉砕した陶石をさらに微紛にする。
水 簸… 粒子の組み合わせと粘性をまし鉄分や不純物を除去する
土絞り… 余分な水分を除き、適当な硬さの陶土をつくる。



2.成 形
土こね… 粒子や水分を均一化し、陶土内の気泡を完全になくす。
成 形… 種々の技法があるが、有田焼はロクロ成形を主とする。



3.仕上げ・乾燥
加 飾… ホタル手、印花、布目など生のうちに加工装飾する。
削  り… 高台削り、縁仕上げなど最終的製品の形に整える。
水拭き… 器の表面に絵付、施釉の処理をするため、布などで水拭きし、なめらかにする。
乾 燥… 乾燥を急激に行うと収縮時に亀裂が生じるため。
器物は皿板に並べ、かげぼし、天日などで乾かす。



4.素 焼
焼 成… 徐々に温度をあげ、約900℃で最初の素焼焼成をする。
窯出し… 徐々に冷却させた器物は窯から出し、検査をする。



5.下絵付
調 合… 線描き(輪郭)と染付ダミ(線描の中の濃淡)の絵具があり、乳ばち、乳ぼうなどで調合する。
呉 須… 下絵付には酸化コバルトを主成分とする呉須を使用する。
下絵付… 吸水性のある素焼に直接筆で描くため熟練を要する。



6.施 釉
釉 薬… 焼くとガラスのようになるうわ薬。
陶磁器表面を覆うガラス質で、長石、石灰石、硅石、柞灰などを精製して作る。
釉がけ… 小物は、釉薬槽に浸し、大物はスプレーや流しがけにする。



7.本 焼
焙り焚き、攻め焚き、揚げ火などの焚きかたで約1300℃まで温度をあげ焼きあげる。


8.上絵付
調  合… 上絵には、赤、黄、緑、黒、金、銀など多くの絵具で調合する。
上絵付… 釉上に絵具で絵付し、絵の線描き、ダミの組み合わせがある。



9.上絵付焼成
焼 成… 上絵付されたものを、約800度ぐらいの温度で焼くことにより、赤・黄・緑・金などのあざやかな色があらわれる。

始まりは1616(元和2)年、李参平が有田の泉山で良質の白磁鉱(泉山陶石)を発見したことによるといわれています。
文禄・慶長の役の時、朝鮮出兵をした大名の多くは優秀な朝鮮の陶工を連れ帰りましたが、肥前藩主・鍋島直茂もその一人で、李参平は慶長の役(1597〜1598)の際、彼によって連れて来られました。李参平は初期の頃は多久安順の保護の下、現在の多久に住んで陶器を焼いていましたが、それでは満足できず、やがで磁器の原料を探す旅に出かけました。そして有田の泉山で理想的な陶器を発見して日本で初めて磁器の製作に成功したことが今の有田焼の礎となったというのが、最も有力な説です。
泉山磁石鉱の発見以来、有田の窯業はその後数十年間で急速に発展しました。そして1643年(1646年説もあり)に初代酒井田柿右衛門が赤絵の技法を生み出します。柿右衛門は長崎に出入りしていた商人から伝え聞いた中国の赤絵の調合法を元にして、試行錯誤を繰り返しながら求める赤い色を造り出したといわれています。そしてこの赤絵技術の開発をきっかけに鍋島藩は有田に御用窯を作り、その技法を固く守りました。このような保護政策により有田地域で色絵磁器が組織的に生産されるようになったのです。
その後、色絵磁器はオランダ東インド会社を通じて東南アジア〜ヨーロッパ方面に輸出されるようになりました。ちなみに有田焼が通称「伊万里」と呼ばれるようになったのは、有田地方で焼かれた磁器が伊万里の港から出荷されたことに由来しています。有田磁器のヨーロッパ方面への大量輸出が始まったのは1659(万治2)年からですが、これは当時人気があった中国磁器が王朝交代の混乱により輸出が途絶えた影響で、有田磁器が中国磁器の代替として東インド会社から注目されたためだそうです。
白く傷のない色絵磁器が完成されたのは1660年代です。これが「柿右衛門様式」として確立しました。そして元禄年間(1688〜1704)頃からは、染付素地に金彩や赤絵などの色絵を用いて豪華な装飾を施した「金襴手様式」が生産されるようになりました。金襴手様式の色絵磁器はヨーロッパでも珍重され、膨大な数の金襴手様式の色絵磁器が輸出されました。しかし1684年の展海令による中国磁器の輸出再開により有田磁器は海外市場での価格競争に敗れていき、同時に18世紀はヨーロッパでも磁器の焼成に成功して自力で需要をまかなう時代になったため、1750年代で東インド会社による有田磁器の公式輸出は途絶えてしまいました。とはいえ、有田磁器のヨーロッパへの輸出は数としては中国磁器に比較すればたいへん少ないもので、東インド会社による買い付けも多くは東南アジア・西アジア地域の需要を満たすためのものであったとされています。
明和年間(1764〜1772) には「古伊万里」は爛熟期に入り、有田の色絵磁器は庶民階級にまで広く流通するようになりました。しかし大量生産の時代に入って実用的な製品が主流になったため、品質は徐々に低下していきました。更に1828(文政11)年には有田皿山で起こった大火の影響で有田磁器の生産は大きな打撃を受け、美術磁器としての格調が失われる結果となってしまいました。
江戸末期は、染付絵皿などの「古伊万里」染付の全盛期だったといえましょう。「古伊万里」染付磁器は町民や農民、漁民などの庶民生活にも広く浸透し、蛸唐草文様などを特徴とする多種多様な文様の染付磁器が生産されました。
明治期に入ると、近代的な磁器生産が行われるようになりました。1870(明治3)年には、佐賀藩の招請によりドイツ人化学者ゴッドフリード・ワグネルが有田を訪れ、窯業化学を教え、石炭窯を築き、コバルト希釈法などを教授しました。1875(明治8)年になると深川栄左衛門が香蘭社を設立し、製陶機械を輸入するなどして磁器生産の近代化を図り、磁器輸出にも力を入れました。また明治期以降、有田焼は伝統的な磁器製作に加え、近代的な工場設備で量産磁器の生産も行うようになり、日本有数の磁器生産地としての地位を確立、現在に至ります。
泉山磁石場(有田町)
山がごっそりえぐられた奇景。そこが、400年前、李参平率いる陶工集団が陶石を発見し、日本で最初の磁器焼成に成功した場所、泉山磁石場です。
竹古場キルンの森・飛龍窯
(武雄市)

陶芸の里武雄の拠点としてつくられた世界一の登り窯「飛龍窯」と工房、展示室があります。また陶芸教室や楽焼きなどが体験できます。
有田ポーセリンパーク
(有田町)

マイセンをはじめ世界の陶磁器を一堂に集めた焼物のテーマパーク。有田焼に気軽に触れたい、学びたい人におすすめ。
有田陶磁美術館(有田町)
江戸時代の石倉を利用した美術館。肥前の古陶磁を中心に展示されています。この美術館の近くには、解体した登り窯のレンガや窯道具で作ったトンバイ塀もあり、やきものの里の風情を感じることができます。
有田館(有田町)
世界初、磁器製カラクリ人形を見ることができる、伝統文化の交流プラザ「有田館」。有田の伝統技術の総力と、最先端技術のメカトロニックスを駆使した有田焼人形は一見の価値あり。
伊万里・有田焼
400年の歴史の中で完成された伊万里・有田焼は、一般的に「古伊万里」「柿右衛門」「鍋島藩窯」の三様式に大別されます。白く美しい磁肌、華やかな絵付、使いやすさ、高い耐久性で多くのファンを魅了しつづけています。
有田焼とは一般に磁器を指します。磁肌の澄みきった白さと華やかな絵付け、そして丈夫さ(優れた耐久力)が有田焼の特徴です。指ではじくと澄んだ高い音が響き、輝くような硬質な肌ざわりをしています。
また、有田焼の伝統的な様式としては、エキゾチックな色絵や金彩をほどこした、もっぱらヨーロッパ輸出用として作られた【金襴手古伊万里様式】、白地に赤絵や色絵を用いて花鳥風月をデザイン化した【柿右衛門様式】、鍋島藩窯で製作された格調高い【色鍋島様式】、江戸時代後期から庶民に出回った細かい染めつけの【古伊万里染め付け】などがあります。
 
Q… 有田焼とは、どんなやきものですか。
A… 有田焼は原料の天草陶石を用いて、有田で作った白くて硬いく、赤や黄の文様(模様)がきれいな焼き物(磁器)をいいます。、
Q… 今と昔の作り方で変わっているものは、どんなところですか。
A… 筆やヘラなどの小さな道具はあまり変わっていませんが、薪でたいていた登窯からガス窯に、足で蹴って回していたロクロは電力に変わり、機械化が進みました。
Q… 今は、手作りのほかにも機械による大量生産はあるのですか。
A… 明治時代にヨーロッパから伝えられた石こう型流し込み法や機械ロクロ、また最近は、ローラーマシン(ロクロの一種1日1台で3〜4千個作れる)などがあります。
Q… 素地作りとは何のことですか。また作り方にはどんな方法がありますか。
A… 素地と書いて「きじ」と読んでいます。器の形のことです。ふつうロクロを使って作りますが、ひもづくりとか板づくりなどいろいろな方法があり、器の形ができあがると、文様(模様)を書き、うわ薬(釉薬)をかけて焼くと丈夫できれいな焼物ができます。
Q… 作るとき、難しいところはどんなところですか。
A… 機械の扱いや印刷による絵付けだけでしたら、わりあい早くできるようになりますが、ロクロや筆がきの絵付けは一人前の職人とよばれるようになるまでには、5年くらいはかかります。
 
Q… うわ薬(釉薬)は、なぜかけるのですか。
A… 焼物をきれいに見せたり、花瓶などの水もれを防ぎ、汚れても洗うことによって、いつまでも丈夫できれいな焼物として使うことができるようにするためです。
Q… 窯は、どのように変わってきましたか。
A… 江戸時代は登り窯、明治の終わりごろから石炭窯が使われ、昭和30年代から重油窯やガス窯に変わりました。
Q… 焼く時は、何を燃やすのですか。また、どれくらいの温度と時間が必要ですか。
A… 昔は、松の薪を使い、明治時代から石炭、昭和30年代から重油やガスが使われました。素焼きは800度まで、本焼きは1300度まで温度をあげ、10時間〜30時間かかります。
Q… 焼物の値段は、どんなに違いますか。
A… 形が複雑であったり、文様(模様)の絵付けに時間がかかるもの、大型のものなどは普通のものより手間がかかるため値段が高くなります。
Q… キズができたものは、どうしていますか。
A… 小さなキズのものは、毎年5月にある有田陶器市で安く売られます。それ以外のものは、割ってから埋め立て地などにうめます。
Q… 絵付けができるようになるまでには、何年くらいかかりますか。
A… 機械の扱いや印刷による絵付けだけでしたら、わりあい早くできるようになりますが、ロクロや筆がきの絵付けは一人前の職人とよばれるようになるまでには、5年くらいはかかります。
有田焼関連サイト
●有田オンライン
http://www.arita.or.jp/

●有田陶器市(有田町商工会議所)
http://www.arita-toukiichi.or.jp

●有田陶磁の里プラザ
http://www.arita.gr.jp/arita_top
●大有田焼振興協同組合
http://www.arita.or.jp/aritaware/index.html

●佐賀県立九州陶磁文化館
http://www.pref.saga.jp/kyouiku/kyuto

●有田窯業大学校
http://www.pref.saga.jp/syoukou/yougyou/youdai.html
●佐賀県窯業技術センター
http://www.scrl.gr.jp

●武雄市(世界一登窯まつりの紹介)
http://www.city.takeo.saga.jp/event/noborigama.html

●有田町
http://www.qs-net.com/aritown

写真・資料
協 力
佐賀県観光・文化課  佐賀県佐賀市城内一丁目1-59 
 URL:http://www.pref.saga.jp/
佐賀県立九州陶磁文化館  佐賀県西松浦郡有田町戸杓乙3100−1 
 URL:http://www.pref.saga.jp/kyouiku/kyuto/
有限会社吉田陶芸  佐賀県西松浦郡有田町蔵宿丙4096-9 TEL 0955-46-5098 FAX 0955-46-5135
 URL:http://www.yoshida-tougei.com/   Email:info@yoshida-tougei.com